こんにちは。
年が明けて、真冬の寒さが続いていますね。
寒い日は、温かいお風呂に入ったり、熱々の鍋物を食べたりして、体を外からも内からも温めたくなります。
さて、ずいぶん経ってしまいましたが、昨年11月、ベランダでの干し柿作りに挑戦しました。過去にも作ったことがありましたが、数日間干している間にカビてしまい見事に失敗しました。でも、ポイントさえおさえれば、我が家のような狭いベランダでも失敗なく簡単に干し柿が作れることがわかりました。また、「軸がないと干し柿はできない」と思っていましたが、ちょっとした道具を使うことでうまく干しあげることができました。
そこで今回は、軸なしの渋柿を使って、ベランダでもできる干し柿の作り方について書きます。手作りすると、干し加減によって好みの硬さに調節もできます。よかったら皆さんもお試しくださいね。
2022年秋、2度目のベランダ干しの柿しごとについても記録しました。こちらもご覧ください。
干し柿に使うのは、渋柿
干し柿は、柿の皮をむいて天日で干して作られます。柿が本来含んでいる渋みの成分「タンニン」は、ポリフェノールの一種で、水に溶けやすい性質を持っています。そのため、口に入ると粘膜と反応してビリっとしびれるような感覚を引き起こします。これが渋みです。
柿の中でもタンニンをより多く含んだものが渋柿と言われるもので、通常は渋を抜く作業をしないと美味しく食べられません。とはいっても、タンニンを消すのではありません。「アセトアルデヒド」という物質とくっつくことで固まり、水に溶けにくくさせて渋みを感じなくさせるのが、渋抜きの仕組みです。
渋抜きの方法
渋抜きは、
①アルコールを使う
②炭酸ガスを使う
③皮をむいて干す
といった方法が取られます。
①の場合は、アルコール度数が35度程度ある焼酎などを、ヘタに漬けて、ビニール袋などに入れて1~2週間ほど室内に置いておきます。
②は、ビニール袋などに渋柿を入れて、炭酸ガスを吹きかけ口を縛り、柿が酸素を吸えない状態を作る方法です。柿はいわゆる窒息状態になると、アルコールを作り出し、これがアセトアルデヒドとなります。
③は、皮をむくことで柿が「無酸素呼吸(酸素を必要とせずに、エネルギーを生み出す働き)」を始めます。すると柿の中にアルコールができて、やがてアセトアルデヒドになります。
軸がなくてもOK
干し柿は、皮をむくとき、ヘタに軸を残した状態の柿が使われるのが一般的です。軸があるとそこに紐が結び吊るしやすくするためです。
でも、軸がない渋柿を使っても、干し柿はできますのでご安心ください!今回は、軸なしでの作り方をお伝えします。
道具と材料
- 渋柿
- 大きな鍋 または、アルコール度数35%程度の焼酎やホワイトリカー
- 物干し竿
- ビニール紐
- ハサミ
- 水切り用ネット(100円ショップのものでOK)
- 包丁
- まな板
作り方
1.ヘタの部分を残すように、渋柿の皮をむく
2.ヘタを上に向けた状態で、水切り用ネットに入れて結び目を作る
3.2つ目に皮をむいた柿を、2の結び目の上に置いて、水切り用ネットの口を結ぶ
4.鍋に熱湯を沸かし、そこへ3の柿をネットごと入れて熱湯につける(30秒~1分程度)
または
焼酎やホワイトリカーにつける
5.4の水切り用ネットにビニール紐を巻きつけて、ベランダの物干し竿に下げて干す
(期間は、2週間~1ヶ月程度が目安)
1週間ほど経つと、水分が抜けてきて表面の感触が変わってくるのがわかります。渋みが完全に抜けるまでに2週間程度かかります。あとは好みの硬さになるまで、干してできあがりです。
干し柿は、生の柿と比べてビタミンCは減少しますが、皮膚や粘膜の保護に働くβカロテンや整腸作用のある食物繊維は多く含みます。ただし糖分がぐっと高くなるので、食べすぎには気をつけましょう。
また、柿に含まれるタンニンは鉄分の吸収を阻害してしまうため、貧血の心配がある方は、食事中や食事の前後などを避けて、食べる量にもお気をつけください。
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