こんにちは。
「好きな物ばかり食べたがる」「嫌いなものが多い」「食べムラがある」など、子どもの食に関する悩みは人によって様々です。子どもはそのときの気分によって、食べたり食べなかったりもします。でも、一生懸命作ったごはんの食べが悪かったり、好きな物ばかり欲しがられたりすると、がっかりしますし、「ちゃんと栄養が摂れているかな」と心配になってしまいますよね。
そんなときこそ、おやつの出番です。ごはん代わりに栄養が摂れるおやつを食べてくれたら、「ごはんを食べさせなくてはいけない」というプレッシャーを軽減できるのではないでしょうか。また、苦手な物がある子も、子ども自身が関われる作業が少しでもあると、それは特別な物になり、食べることに興味を持つきっかけにもなると思います。
ここでは、子どもに不足しがちな栄養を補える、おやつメニューとレシピをご紹介します。休日やゆとりがあるときに、良かったらぜひ一緒に作ってみてくださいね。
子どもにとってのおやつとは
子どものおやつとは、食事の延長であり、食事で摂りきれない栄養、水分を補給するためにあります。そのため、空腹であることが前提になります。ほかにも、体と心をリラックスさせる、食べることを楽しむ体験としての大切な役割もあります。
いずれにしても、おやつは、いわゆる「お菓子」とは違うことを、心にとめておきましょう。
「おやつの意義」「適した量とタイミング」「おやつのポイント」などについては、別記事「悩み解消!保育園のおやつから見る、子どもに適したおやつのポイント」をご覧ください。
どんな栄養を補うといいの?
子どもたちの食事で不足しがちな栄養素には、個人差もありますが、エネルギーのほかにカルシウム、鉄分、食物繊維といったものがあげられます(日本人の食事摂取基準2020、令和元年国民健康・栄養調査報告より)。
ここではこの3つの栄養を、エネルギーと一緒に補えるおやつメニューをご紹介します。
レシピの★印は、小さい子でも関わりやすい作業です。お子様の成長に合わせて、できそうなところがあれば、ぜひ声をかけて一緒に作ってみてくださいね。
カルシウム、鉄分、食物繊維補給メニュー
切り干し大根としらすのチャーハン
切り干し大根、しらす、きのこ、ごま、のりを使い、カルシウム、食物繊維、鉄分が補える1品です。
【材料】(1人分)
切り干し大根 2g
しらす 10g
好みのきのこ 5g
お好みの野菜(ネギなど)
炊いたごはん 50~60g
油 小2/3
しょうゆ 少々
いりごま 1g
のり 1g
【作り方】
1.★切り干し大根は、軽く洗い、4倍の水で戻す
2.1を2~3cm程度の長さに切る
3.★きのこは手で割いてからみじん切り、野菜もみじん切りにする
4.フライパンに油をひき、きのこ、野菜、切り干し大根を入れて炒め、フタをする
5.具がしんなりしてきたらフタを開け、ごはん、しらすを加えてよく混ぜ合わせる
6.しょうゆ、ごまをからめ、火を止めて、皿に盛り付け、のりをかける
【栄養価】
エネルギー 133kcal
たんぱく質 4.7g
脂質 4.0g
鉄分 0.4mg
カルシウム55mg
食物繊維 1.8g
【ポイント】
お子様が、切り干し大根を水で戻す様子を見たことがなかったら、ぜひ一緒に観察してみてください。
切り干し大根は歯ごたえが強いので、小さめに刻みましょう。きのこや野菜を炒めるときは、少しフタをして蒸らすのがコツです。そうすることでカサが減り、具材から旨味が染み出るので、野菜が苦手な子も食べやすくなります。
食物繊維、鉄分が補えるメニュー①
さつまいも✕さらしあんの茶巾
さらしあんは、食物繊維と鉄分が豊富な食材です。お月見シーズンに、お団子代わりで作るのもおすすめです。
【材料】(作りやすい分量 ピンポン玉(直径4cm)12個分)
さつまいも 300g(小さめ2本)
さらしあん 30g
水 110g
てんさい糖 15g
【作り方】
1.さつまいもを2cmほどの輪切りにして、蒸す(またはレンジで加熱)
2.★やわらかくなったら、粗熱を取ってから皮をむき、マッシュする
3.小鍋にさらしあん、水を入れて、弱火にかける
4.てんさい糖を加え、ヘラで鍋底に線を引くようにかき混ぜる
5.あんが固まってきたら、火を消し、粗熱を取る
6.★ラップの上に、マッシュしたさつまいもを広げ、丸めたさらしあんを包む
【栄養価】(2個分)
エネルギー 92kcal
たんぱく質 2.0g
脂質 0.2g
鉄分 0.4mg
カルシウム13mg
食物繊維 1.4g
【ポイント】
さつまいもをマッシュするときは、ジップ袋に入れるとつぶしやすく、片付けも楽になります。
いも類やかぼちゃなど加熱後にホクホクしたものは、喉に詰まりやすいです。月齢が小さい場合は、小判型にしたり、1/4くらいにカットしたりしてからあげてください。月齢の大きくても、子どもが丸ごと口に入れてしまわないよう、かじって食べる様子を見せながら声をかけるなどして、見守ってくださいね。
食物繊維、鉄分が補えるメニュー②
さらしあん✕ココアパウダーの蒸しパン
ココアパウダーも、さらしあんと同様に食物繊維と鉄分が豊富な食材です。意外な組み合わせですが、なかなかの好相性です。米粉で作るので、冷めてもしっとりとした美味しい蒸しパンになります。
【材料】(作りやすい分量)
米粉 100g
さらしあん 20g
ココアパウダー 10g
ベーキングパウダー 小1
てんさい糖 20g
豆乳(または牛乳)100g
【作り方】
1.蓋付きの鍋に5cmほどの水を入れて蓋をし、火にかけておく(蒸し鍋の準備)
2.★ビニール袋に米粉、さらしあん、ココアパウダー、ベーキングパウダーを入れて混ぜる
3.★ボウルにてんさい糖、豆乳を入れて、泡立て器でよく混ぜる
4.★2に1を2回に分けて入れて、ヘラでよく混ぜる
5.耐熱のカップに4を流し入れ、蒸し鍋に入れて蓋をし、10~15分ほど蒸す
【栄養価】(直径4cmカップ1つ分)
エネルギー 89kcal
たんぱく質 2.4g
脂質 1.4g
鉄分 0.7mg
カルシウム33mg
食物繊維 1.3g
【ポイント】
粉類と、それ以外の材料を別々によく混ぜることがポイントになります。また、全てを合わせたら、すぐに蒸せるよう、鍋をばっちり準備しておきましょう(小麦粉のように、混ぜ方に気を使う必要はありませんが、ベーキングパウダーは水分に触れるとすぐ反応を始め、生地の膨らみが悪くなるのを防ぐためです)。
牛乳・乳製品にアレルギーがある場合は豆乳を、大豆製品にアレルギーがある場合は牛乳をお使いください。
米粉とさらしあんで、もっちりした食感なので、お子様が口に入れるサイズは小さくなるよう注意してください。
おやつを食べるときは、水分と見守りを忘れずに
いずれのメニューでも、水またはノンカフェインのお茶を添えてください。また、子どもが食べることに集中できる環境を整えてあげることが大切です。そばにいて、食べている様子をしっかり見ていてあげてください。
レシピで使用する材料のおすすめ品
さらしあん TOMIZ(150g)
さらしあんは通常、鍋に水と一緒に入れて、混ぜながら加熱して、なめらかなこしあん作りに使います。製菓食材を専門に扱う富澤商店のさらしあんは使いやすく、桜餅のような和菓子から、パウンドケーキにまで重宝します。
バンホーテン ピュアココア 400g
ココアパウダーを世界で初めて作ったバンホーテンの商品です。愛用されている方も多いと思います。容器がスリムな缶なので、省スペースなのも使いやすいポイントです。
ホクレン てんさい糖 650g
北海道産の甜菜(ビート)100%でできたお砂糖です。まろやかですが、しっかりと甘みは付きます。あんことの相性がとても良いです。
子どものおやつ作りでおすすめの本
子どもに食べさせたいおやつ 暮しの手帖社
これは、アレルギーのある子もない子もいっしょに食べられるものを、との願いで作られた本です。特別な材料を必要とせず、ごはん、いも、野菜や果物などを使い、ぱっと作ってすぐに出せる、子どもが食べやすいおやつが多く載っています。
注意:一部のレシピに、小麦粉、卵、小エビ、その他アレルギー表示推奨の食材を使ったものがあります。
「食べたがらない子」も大よろこび!コウケンテツのおやつめし2」コウケンテツ著、クレヨンハウス
これは、子どもに食で悩んでいた著者自身の経験からできた、ごはん代わりのおやつレシピ集です。レシピが誕生した背景から子どもとの日常がエッセイとして書かれていて、子どもの食が、美味しく、楽しくなるヒントが散りばめられています。
注意:一部のレシピに、小麦粉、その他アレルギー表示推奨の食材を使ったものがあります。
ふだんなかなか食事では摂りきれない栄養も、子ども自身も関わりながら作れるおやつだったら食べてみようかな、と思えるかもしれません。一緒に作業を楽しみながら、ごはんの代わりのおやつで栄養を補っていけるといいですね!
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