雑穀とは?
はっきりとした定義はありませんが、雑穀とは、主にイネ科の穀類の中でも小さな実をつける作物のことです。でも一般的には「米、小麦を除いた穀物」の総称として使われています。
紀元前3000年よりもずっと前から作られているという雑穀。現在の世界ではインド、アフリカ諸国、中国で主に生産されています。日本では「雑穀大国」と呼ばれる岩手県を中心に、各地で作られています。でも、米に比べると生産量はとても少ないのが現状です。
雑穀の種類
雑穀は、イネ科であるきび、あわ、ひえ、高きび(もろこし)、ハトムギなど、イネ科ではないそば、アマランサス、キノアなどのほか、大麦やもち麦も含めて扱われることもあります。大麦やもち麦は、グラノーラによく使われているので、馴染みのある方も多いかもしれませんね。
また同じ種類の雑穀でも、デンプン質の違い(アミロースの含有量)によって、うるち種、もち種に分かれるものがあります。もち種があるのは、きび、あわ、高きび、ハトムギ、とうもろこし、大麦、アマランサスなどです。
自分でブレンドする際は、もちもちにしたいならもち種の雑穀、反対にパラパラした食感にするならひえやキヌアを選ぶと良いでしょう。
雑穀の特徴
1.ビタミンB群、食物繊維が豊富
雑穀は、日々の食事で不足しがちな栄養素を多く含んでいます。中でも、糖質や脂質をエネルギーに変えやすくする働きのあるビタミンB群(B1、B2、B6)、整腸作用のある食物繊維が豊富です。雑穀入りのごはんを炊くと、お米だけでは摂れない栄養価を高めることができます。
2.アレルギー対応食に使われやすい
卵、乳、小麦の三大アレルギーに加え、大豆、米のアレルギー症状がある人でも食べられる貴重な穀物です。とはいっても、雑穀でアレルギーが発症しないとは限りません。特に何かの代替食とする場合は一度に摂取する量も多くなりますので、アレルギーの心配がある方はまず専門医に相談してください。また、お子様に雑穀を食べさせようと考えている方は、初めは1口ずつから、様子を見ながらあげてくださいね。
雑穀の下ごしらえの2ステップ
1.洗う
2.浸漬する
雑穀を米に加えて炊くときは、米と雑穀を別々に洗ってから、合わせて水に漬けるのが基本です。でも最近は、あらかじめ洗浄されていてすぐに炊飯できる商品も増えてきていすので、パッケージで確認してみてくださいね。
雑穀洗いにあると便利な道具
雑穀を洗うときは、網目が細かいザルを使います。特にアマランサスやキヌア、もちきび、もちあわなどは粒が小さいため、野菜などで使うタイプでは穴から落ちてしまいます。茶こしで代用できますが、持ち手・フックがあるタイプだと炊飯器や鍋にさっと移しやすく、ボウルや鍋に引っ掛けられて作業しやすくなります。
雑穀米をより美味しくするコツ
1.水に浸す時間をしっかり取る
雑穀ごはんを美味しく仕上げるには、雑穀にしっかり水を吸い込ませ、じっくり加熱することが大切です。浸水時間は、雑穀の硬さだけでなく温度による影響も受けるため、夏場は30分以上、冬場は1時間以上は取るようにしましょう。
2.通常モードで炊飯する
炊飯器の「早炊きモード」を使うと、雑穀に硬さが残りやすく美味しく炊きあがりません。通常モードで炊きましょう。ただし、一晩かけて水に漬けておいた場合など十分水を吸わせた状態であれば、「早炊きモード」でも美味しく炊けます。
3.豆や昆布を入れる
雑穀独特の風味が苦手な方がいましたら、豆がブレンドされている商品を試してみてください。甘味や旨味が引き出され、香りも良くなって食べやすくなります。ただ、大豆アレルギーの方は、黄大豆や青大豆が入った商品も多いのでご注意ください。
ご自分でブレンドされる場合は、加熱した豆(煮豆、炒り豆、蒸し豆など)を使うことをおすすめします。乾燥豆だと、炊飯後にも豆の硬さが残ったような仕上がりになります。また有色のポリフェノールを含む黒豆や小豆(黒米や赤米も同様)を入っていると、炊きあがりが全体的に色づきます。気になる方は、昆布を入れて炊くのもおすすめです。
おすすめの雑穀ブレンドと便利な道具
尾田川農園 雑穀 彩穀ミックス4種 380g
原材料:アマランサス、もちキビ、もちアワ、ヒエ
岩手県で作られた、粒の小さい4種の雑穀で色づきの心配がない配合になっています。すべて農薬不使用、生産者がわかるようになっているので、無農薬の雑穀をお探しの方にも安心のブレンドです。
石川商店 福っくら御膳 300g
原材料:うるち米・もち米・赤米・黒米・緑米・丸麦・押麦・もち麦・はと麦・もちあわ・ひえ・もちきび・たかきび
13種類すべて国産の雑穀が使われています。豆は入っていませんが、風味も食感も良く、初めての方でも食べやすいブレンドになっています。赤米、黒米入りで色づきありのタイプです。
やずや 発芽十六雑穀お徳用サイズ 25g×30小袋入り
原材料:発芽もち玄米(国内製造)、発芽はだか麦、胚芽押し麦、発芽玄米、発芽もち黒米、発芽もち麦、発芽ハト麦、発芽もち赤米、発芽もちきび、大豆、発芽もちあわ、発芽小豆、発芽ひえ、青大豆、黒大豆、発芽とうもろこし
すべて国産の16種類の雑穀ブレンドです。食べやすくするため、ほとんど発芽したものが使われています。個装なので、すぐに炊飯器へ入れたい方におすすめです。黒米、赤米、黒大豆入りで色づきありのタイプです。
EBM 18-8 ダブルアミ ストレーナー(茶漉兼用) 直径13cm
取っ手とフックが付いた、大きストレーナーです。以前私は茶こしで代用していましたが、茶こしのくぼみに細かい雑穀が詰まりやすいので、不便に感じていました。このストレーナーはとても洗いやすく、雑穀を洗うのにも茹でるのにも重宝しています。
雑穀は、私たちに不足しがちな食物繊維などを豊富に含む食材です。中でも手軽な雑穀ごはんは、ちょっとした工夫で、風味よくふっくらとした仕上がりになります。お好みの雑穀を見つけて、美味しい雑穀生活を始めてみませんか。
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