こんにちは。
最近プラントベースの食事が注目されています。プラントとは植物のこと。植物でできた食品がプラントベースフードと呼ばれています。これは、健康面や環境への配慮などの理由から、植物性の食品をより積極的に選ぶ、という食事スタイルで、動物性の食品を完全に摂らないというわけではありません。
その1つとして登場した大豆ミートは、スーパーでも手軽に手に入るようになりました。カフェなどのチェーン店ではバンズでも使われるようになってきているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
でも、大豆ばかりではちょっと・・・、いろんな食品でレパートリーを広げたいな、という方もいらっしゃるかと思います。また、そもそも大豆が体質に合わない方もいらっもいらっしゃいます。
そこで今回は、プラントベースフードの1つとして、高きびをご紹介します。
高きびは、薄い紫色をした、いわゆる雑穀の1つです。
欧米では、高きびは小麦のように様々な形で商品化されていて流通しています。近年は日本でも利用されるようになっています。
とはいえ、なかなかスーパーなどでは見かけない食品なので、今回は、高きびが注目されている点や、栄養面から、実際のレシピもお伝えします。
高きびとは?
高きびは、イネ科もろこし属に分類される作物です。紀元前3000年頃から、アフリカで作られていたと考えられています。その後インド、中国からアジアへ広まり、アメリカでも作られるようになりました。
今では小麦、米、トウモロコシ、大麦に続いて、世界で5番目に多く作られている穀物です。
栽培地域の環境によって、さまざまな品種があります。呼び方も異なり、アフリカや欧米では「ソルガム」、中国では「コウリャン」と言われています。
日本では「高きび」「モロコシ」などと呼ばれ、東北地方を中心に現在も作られていますが、国産生産はどんどん減っており、希少な穀物の1つです。
高きびが注目されている点
高きびは、次のような特徴から注目されています。
- プラントベースフードであること
- グルテンフリーで、小麦アレルギー、米アレルギーの方でも食べられる(※)
- 料理にもお菓子にも使える
高きびをつぶのまま使用すると、見た目と食感がひき肉に似ていることから、ビーガンやプラントベースの料理でも重宝されています。水分と一緒に加熱するととろみがつくので、カレーやトマトベースの煮込み料理に使っても美味しいです。
高きびを使ったカレーのレシピはこちら↓
「お米に混ぜて炊くだけじゃない!雑穀を使った簡単で美味しい栄養レシピ」
また、高きびはグルテンを含まない穀物のため、グルテンフリーの食品になります。
アメリカでは、主にセリアック病(※)の人の代用食材として注目され、研究が進みました。その結果、より小麦粉に近づけるため種部分を白く改良した「ホワイトソルガム」という品種が作られました。シリアル、パン、焼き菓子、アルコール類、スナック類など、多岐にわたる商品に使われ、グルテンフリー食材が充実しています。
※セリアック病とは:グルテンを摂取することで、自己免疫機能が異常に働き、小腸の組織を攻撃してしまう病気
「「グルテンフリー」と「小麦不使用」は違うの?」
高きびの栄養
高きびは、白米と比較して、食物繊維やマグネシウムなどのミネラルが豊富です。また、種の部分が紫や茶、くろっぽう色をしている種類のものは、ポリフェノールの含有量が高く、抗酸化物質の作用も注目されています。
抗酸化物質とは:
活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除く物質のこと。
ポリフェノール、カロテノイドなどの種類があります。
参考:厚生労働省 eヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
高きびの炊き方(基本)
高きびは、料理方法によって扱い方が異なりますが、水と一緒に炊くのが基本です。
ここではいろいろな料理に応用しやすい炊き方をお伝えします。
1.高きびをさっと洗い、1時間以上水に漬けておく
2.小鍋に高きびと同量程度の水を入れ、強火にかける。沸騰したら弱火にし、15分ほど加熱し水分を飛ばしたら火を止める。
3.(サラダなどに使う場合)
2のザルに移し、流水でさっと洗い、水気を切っておく。
高きびを使ったレシピ
高きびのハッシュドポテト風ハンバーグ(卵・乳・小麦粉不使用)
お肉を使わず、高きびで作るハンバーグです。マッシュしたじゃがいもを使っているので、ハッシュドポテトのような風味に仕上がります。
【材料】4人分
高きび 100g
玉ねぎ 1/2個(120g)
じゃがいも 1/2個(120g)
オリーブオイル 大1・1/2
塩・コショウ 少々
ナツメグ 少々
片栗粉 適量
お好みでトマトソース、ケチャップなど 適量
【作り方】
1.小鍋で高きびを炊く(前述の「高きびの炊き方(基本)」参照)
2.玉ねぎをみじん切りにして、熱したフライパンにオリーブオイルを大1/2入れてよく炒める
3.じゃがいもは4つくらいに切り、耐熱皿に入れてラップをかけ、電子レンジで2-3分加熱する(500W)
4.3を熱いうちにボウルへ移して、つぶす(皮は除いても一緒に潰してもOK)
5.4に1と2を加え、塩コショウ、ナツメグを入れてよく混ぜる。生地がまとまるように、片栗粉を加えて調整する。
6.熱したフライパンにオリーブオイル大1を回し入れ、5の生地を好みの形にして焼く。焼き色が付いたら裏返し、両面焼けたらお皿に盛り付ける。お好みでソースをかけて完成。
別の記事で、「高きび✕さつまいも✕キャベツのサラダ」のレシピをご紹介しています。
おすすめの高きびと調理アイテム
尾田川農園の高きび
岩手県にある尾田川農園さんの高きびです。地元の農家さんが作られているこの高きびは、味わい深く、農薬不使用なので安心して食べられます。
EBM 18-8 ダブルアミ ストレーナー(茶漉兼用) 直径13cm
これは取っ手とフックがついた、大きストレーナーです。以前私は茶こしで代用していましたが、くぼみに細かい雑穀が詰まりやすいので、不便に感じていました。このストレーナーは粒の小さな雑穀も目詰まりせず、洗うのにも茹でるのにも重宝しています。洗浄も楽なので手入れしやすいのもいいところです。
今回は、プラントベース、グルテンフリーの食品として注目されている、高きびについてご紹介しました。トマトとの相性がいいので、ハンバーグや煮込み料理などにしてみてくださいね。
粉の状態になった便利なソルガム粉については、別の記事にてご紹介します。
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